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Love&Love英語でメキメキ!!上達コーナー
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◆浦島 久/クライド・ダプンポート氏の”1分間英語で自分のことを話してみる”から
浦島さんは、
英語教育的には決して恵まれていなかった北海道で、外国人に会うこともほとんどなかった時代に、自ら工夫して地道に英語を勉強しました
おかげで、自分の英語力をアップさせるそれぞれの段階で、タイムリーな勉強法を考え出すことができました
そして、それらの体験が英会話書の出版や教授法のヒントになっています
と言われます。
ショートスピーチを会話に役立てるというやり方は、そこそこ英会話はできるようになったけれど、まとまったことが話せなかった大学2年生のころに考え出したそうです。
英語スピーチコンテストへの出場がきっかけになったとのこと。
ここでは、スピーチで発信型の英語に強くなることと、自分を語る英会話を提案しておられます。
スピーチは暗記する必要はありません。
目の前にだれかいることを想定し、話しかけるように読んでみましょう。
何度も音読することでスピーチが自分のものとして定着していきます。
機会を見つけて、それまで練習してきた成果を試してみましょう。
スピーチ全体を使う必要はありません。
相手と会話する場合には、その一部を利用すればよいのです。
なるほど。
浦島さんは、発信型の英語に強くなれと言われます。
英語学習に最も多くの時間を費やしたのは、大学での4年間だったそうです。
これはとてもラッキーなことだったのかもしれません。
理由は、大学入学時が単語を一番多く覚えていた時期だったからです。
しかも、受験文法レベルの理解でしたが、文法の知識もかなり頭に入っていました。
そんな時期に集中的に使える英語を勉強するのは、とても効果的だったと思います。
当時は、英語は受験科目であってコミュニケーションの道具という感覚はまったくありませんでした。
教科書を声に出して読むことさえもできなかったとそうです。
高校の授業ではそのようなことは要求されなかったからです。
初めて受けた外国人教師による英会話の授業はショックだったとのこと。
話す英語がわからなかっただけでなく、自分の口から単語1つすら出てこなかったのです。
英語が出てこないのです。
そのことがきっかけで、ESA=English Studies Associationに入会したそうです。
あのときの決断がなければ、いま英語学校を経営したり、英会話書を出版したりすることはなかったでしょう。
なるほど。
浦島さんは、ESAではあらゆる経験をさせてもらい、コンテストが人生を変えたと言われます。
4技能=聞く・話す・読む・書くを伸ばす英語学習を行なうことができたそうです。
活動は英会話という枠を越え、ディスカッション、スピーチ、デイベート、通訳、英字新開の編集など、多岐にわたりました。
大学の英語学科で学ぶ以上のことを経験することができたとのことです。
ESAに入った当初は、なかなかリスニングカや会話力がつきませんでした。
でも、まじめに半年も活動に参加していると、英検2級に合格することができました。
現在の英検2級と比べると、かなり易しかったと思います。
ところが、思うように英語が話せるようにはなりませんでした。
年数がたてば、クラブの先輩のように英語が話せるようになるのだろうかという大きな不安を抱えていました。
そんなときに経験したのが、大学生を対象にした英語弁論大会でした。
自信などまったくなかったでしたが、スピーチのタイトルと、中で使ったジョークが受けて、上位3名の1人に選ばれてしまったそうです。
浦島さんは、本戦に出場したときの苦労話をしておられます。
本選出場者の3人にはそれぞれ先輩が指導者としてついてくれたそうです。
でも、それからが地獄の日々の始まりだったとのこと。
まず、書いたスピーチは先輩によってより洗練された英語に書き換えられ、もともとの原稿は跡形もなくなりました。
アメリカ人教師にそれをテープに吹き込んでもらい、それに合わせて読む練習をしようとしたのですが、基本単語の発音からやり直さなければならなかったそうです。
一つひとつの単語を正しく発音できるようになっても、次から次へと試練が待ち受けていました。
まずは、それぞれの文をきちんとしたイントネーションで読むことができませんでした。
まして、スピーチを暗記し、ジェスチャーをつけ、人前で披露するというのは至難の業でした。
なにせ当時はとてもシャイだったそうです。
度胸をつけるために、授業が始まる前、大講堂に集まった学生にスピーチを聞いてもらったりもしました。
そして、本選の日がやってきました。
・・・・・・
浦島さんは、本戦に出場したときの苦労話をしておられます。
スピーチは当時大きな社会問題だった公害を扱ったもので、内容的には入賞してもおかしくないほどの仕上がりでした。
プレゼンさえうまくやれば、入賞の可能性は十分あったのです。
そして、運命の発表です。
3位は‥・、なんと浦島さんでした。
体が宙に浮くような瞬間だったそうです。
そのときもらった盾は宝物だとのこと。
浦島さんが英語教育の道に入るきっかけを作ってくれたのがこのスピーチコンテストでした。
このスピーチコンテストにはおまけがついていました。
なんと会話力が向上したのです。
コンテスト終了後のクラブ活動で英語が滑らかに口から出るようになったのです。
環境問題に関するディスカッションでは、次から次と英文があふれてくるようになりました。
スピーチで何度も何度も練習したフレーズが無意識のうちに口から出てくるだけのことだということに気づきました。
しかも、相手からの質問に合わせて、スピーチの中の関係する部分が自然に出てきていたのです。
・・・・・・
浦島さんは、英語を話せる人を驚異の目で見ていた時期もあってそうです。
でも、そんな人が話しているのを観察してわかったのは、クリエイティブに新しい表現を毎回使って英語を話しているのではないということでした。
以前から飽きるほど使っている表現が自然に口から出ているのです。
このことがヒントになり、会話に使えそうないろいろなテーマをショートスピーチにまとめ始めたそうです。
ものによっては、自分で最初から書くのではなく、英字新聞や雑誌から使えそうな個所を抜き出し、それを自分の状況に合うように少し改良したりしました。
浦島さんの英語学校にも、
いくら勉強しても、なかなか言いたいことが言えません
と相談に来る生徒さんがいるそうです。
そんな人は、話すための準備をしていないということがよくあるとのこと。
もし言いたいことが本当にあるのであれば、事前にそれを英語に直し、それを音読して練習しておけばいいのです。
それなしには、日本で育った私たちの口から英語が湧き出てくるような奇跡が起こるはずはありません。
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Sさんは現在75歳になられる女性ですが、本格的に英語と取り組み始めたのは70歳を超えてからのことです。
きっかけは、ある世界的なボランティア組織の財団理事に日本代表として立候補してほしいという要請を受けたことでした。
最初は、とんでもない、英語ができないので無理です、と固辞したそうです。
しかし、アメリカでの会議には同時通訳をつけますから、英語ができなくても大丈夫、ぜひ‥・、と言われ、断り切れずに立候補を引き受けたのでした。
ほかに19か国から27名が立候補していて、書類審査でSさんを含む8名が最終選考に残り、2000年の連盟大会で選挙演説をすることになりました。
場所はハワイのホテル。2,000人を前に英語でスピーチしなければならなくなったのです。
当時のSさんの英語力は中学1年程度でした。
日本語で書いてもらった演説原稿を英訳したのですが、それにカナをふって
読んでもらうことさえ困難な状況でした。
救われたのは、ハワイ大会までに3か月という時間があったことです。
そんなことから、浦島さんは、毎日でも練習しましょう、提案しました。
最初の1か月は読む練習、次の1か月は原稿を丸暗記、そして最後の1か月は人前でジェスチャーをつけて話す練習をしたそうです。
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前号でご紹介したSさんの後日談によると、ハワイの舞台で見上げるような大きな外国人の候補者と並んで演説したそうです。
その際、原稿も見ないで英語でスピーチをする小さな日本人に拍手喝采が起きたそうです。
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それだけではありません。
その後の投票で、なんとダントツで当選してしまい、Sさんはアメリカ連盟の財団理事になったそうです。
それから4年間にわたり理事会が年3回アメリカやカナダであり、なんとか英語でコミュニケーションをとることができるまでになったそうです。
素晴らしいですね。
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浦島さんは、自分だけの音読教材を作ることを勧めておられます。
最近、CD−ROMやDVDの教材がたくさん店頭に並ぶようになりました。
同時にインターネットを使ったe−1earningも人気が出てきたようです。
iPodを駆使して英語を勉強しているという人もいます。
英語学習の分野においても驚くべき変化が進行中です。
技術革新が進んでも、やはり音読が効果的と唱える人がかなりいることも事実です。
英語学習において音読したり、聴いたりしないやり方は今や支持されることはないでしょう。
正確に音読できるということは、それが聴けるということです。
そして速く音読できるということは、そのスピードの英藷が聴けるということになります。
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どんな教材が音読学習に向いているのでしょうか。
浦島さんの経験では、対話形式のものよりエッセイ形式のものがいいそうです。
しかも、長すぎず短すぎず、内容的にも共感できるものです。
それに、ネイティブがテキストを読んだCDなどがついていることが最低条件です。
ぜひ、時間をかけて自分に合ったものを見つけてください。
実は、それ以上に理想的な教材は、自分の、自分による、自分のための教材です。
これはどこにも売っていません。
自分が話しそうなトピックについてショートスピーチを用意します。
あとはそのトピックをテーマに英語で書いてみることです。
ストレートに英文にすることができるのであれば、中級の域をすでに抜け出しているはずです。
なかなか英文にすることができない人は、本書で取り上げられているパターンや例文を利用してください。
英作文ではなく、英文をいろいろなところから借りてやる英借文です。
足りない場合は、本や雑誌だけでなくインターネットを利用することをお勧めします。
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浦島太郎のお話です。
あるときこのレパートリーを思わぬ状況で応用する機会がやってきたそうです。
それは友人のカナダ人宅に泊まったときのことです。
彼の中学生になる娘さんは軽い脳障害があり、特殊学級で勉強していました。
夕食後、深刻な顔で彼が、娘は自分がとても不幸だと思っているので、何か彼女を勇気づけるいい話ができないだろうかと言い出したのです。
思いついたのが、浦島太郎だったのです。
浦島太郎のおとぎ話をゆっくりわかりやすく話しました。
そして、彼女に、この話から得られる教訓は何だと思う、と聞きました。
彼女はしばらく考えていましたが、答えは返ってきませんでした。
そこで、どんな人間も一生に与えられる幸せな時間は同じだけということだと思うと言われたそうです。
太郎はその大半を竜宮城で使い果たしてしまったのです。
あなたはこれまで苦しいことばかりで、自分が不幸だと思っているかもしれないけれど、大丈夫。これからいいことがいっぱいある、と話しました。
話を聞く彼女の目は真剣でした。
そばで友人と彼の奥さんは泣いていました。
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浦島さんは、受信型から発信型の英語への転進を勧めておられます。
英語の学習には4つのスキルがあります。
「聞く」「話す」「読む」「書く」がです。
この中で「聞く」と「読む」は受信型(インプット)の英語です。
残りの「話す」と「書く」は発信型(アウトプット)の英語です。
何もないところから何も出てこないのは当然です。
開いたり読んだりすることができずに、話したり書いたりすることができるというのは、通常は考えられません。
発信型の英語を目指すためには、その根底に受信型の英語を学習しなければならないのです。
だからと言って、受信型の英語を完璧にマスターしてから発信型の英語をやるというのは効率がいいやり方ではありません。
それぞれの学習段階で少しずつ受信型の英語から発信型の英語に重点を移していくという方法が効果的です。
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浦島さんは、ショートスピーチを会話に役立てるというやり方は、そこそこ英会話はできるようになったけれど、まとまったことが話せなかった大学2年生のころに考え出したものだと言われます。
英語スピーチコンテストへの出場がそのきっかけになりました。
これから発信型の英語はますます重要性を増してくるでしょう。
話すことはもちろん、書くことが注目を集めると思います。
もちろんその大きな原因はEメールの普及です。
今まで以上に、即座に英文を書くという能力が求められるからです。
こんな時代ですから、
「自分のことを相手にわかってもらう」
「自分の考えを相手に英語で伝える」
ということは最低限できなければなりません。
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浦島さんは、いつでもどこでも使えるトピックをたくさんストックしておいてくださいと勧めておられます。
それができれば、上級者への道が見えてくるはずです。
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