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◆浅田 浩志氏の”インパクトのある英語”から

 今日は、”インパクトのある英語”(2005年3月 研究社刊 浅田 浩志著)からの話題です。

 浅田さんは、東京都国立市生まれ、千葉大学工学部建築学科卒、ジョージタウン大学M.B.A. (経営学修士 )です。

 在米24年のビジネス経験を基に、企業・組織内教育、トレーニング、実戦的英語教育指導、コンサルティングに従事しています。

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 NHK教育テレビ3か月トピック英会話「体感!ニューヨーカーの会話術」(2008-09)講師。

 著書に『インパクトのある英語』(研究社)、『マネジメント・コミュニケーション』(研究社) があります。

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 浅田さんは、自分なりに信じて貫いてきた学習法を、英語上達のために努力している人に紹介したいと考えてきたそうです。

 過去20年以上、技術、金融営業を中心に日本人、オーストラリア人、米国人とともに仕事をしてきました。

 人を使ったことも、人に使われたこともあったそうです。

 経験から、日本人の英語の弱点はいろいろな場面で見てきました。

 残念ながら日本人の中で、英語を使って海外でネイティブ・スピーカーと互角にビジネスをやり、人を動かせる人は決して多くありません。

 なぜでしょうか。

 マネージメント能力、論理的思考力、知識や経験といったものは十分にあるはずです。

 しかし、英語を母国語とする人が使う自然な表現はあまり知りません。

 また、使うこともあまりできません。

 知らないから聞いても理解できないし、使えないからネイティブと同じ調子で対等に会話ができないのです。

 それでは、人を動かすようなインパクトのある英語を使えるようになるには、どうすればよいのでしょうか。

 それは、日本英語から脱却することです。

 英文法的には正しいかもしれなくても、英語を母国語とする英米人にはインパクトが弱いか不自然に聞こえることがあります。

 もちろん、発音、イントネーション、ボディー・ラングージなどの問題も含まれます。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語から脱却すべきだと言われます。

 日本英語は、日本人同士、あるいは日本に長く住む外国人にはとりあえず受け入れられるかもしれません。

 しかし、海外での生活、ビジネスや交渉の場では、相手を説得したり、動かしたりすることは難しいです。

 人を動かす英語とは、単に通じればよいというレベルのものではありません。

 ネイティブが普通に使う自然な英語で話さなければ、相手の心をとらえることはできません。

 では、どうすれば日本英語から脱却できるのでしょうか。

 それは、汎用性の高い慣用表現をできるだけ多く身につけることです。

 慣用表現は、広くいろいろな状況で使われ、つぶしの利く日常よく使われる表現です。

 身につけるとは、とりあえず読んで理解したという程度ではありません。

 むしろ、脳に焼き付けるようなことです。

 ここと思った時に、考えていることが英語となって自然と口から出てくるようになるまで練習を重ねる必要があります。

 ・・・・・・

 浅田さんは、 これまでの日本英語から脱却して、インパクトのある英語を身につけて欲しいと言われます。

・一般の英会話学校や英会話教本では満足できずにいるか、それらの効果に 何らかの疑問を持っている人。

・海外に出る機会があまりなく、ネイティブ・スピーカーが使う本物の英語表現に接する機会が少ない人。

・周りからは英語のできる人と思われているものの、内心自分自身の実力に満足できない人。

・学生で、社会に出る前に英語力を鍛え、将来国際的な職場で即戦力となりたいと思っている人。

・英語教育者で、本物の英語を教材として使いたいと思っている人。

・これから米国や海外のビジネススクールに留学しようとしている人。

・海外駐在することになって、あるいはその可能性の高い人で、自分の英語力を本場で使えるように強化したいと思っているビジネスウーマンやビジネスマン。

 何事も実力を伸ばすためには、少し背伸びをすることが大切です。

 そのため、これからいろいろな慣用表現を紹介しようとしています。

 それは、10年以上にわたり日常の生活で出くわしたものだそうです。

 また、交渉の場、会議の場、営袁活動の場で頻繁に使われた生の英語表現をデータベース化したものの中から選んだものだそうです。

 特に、日本人があまり使わないような表現を意識して集めてきたそうです。

 ただし、一般によくある英語表現集・辞典と違い、面白い表現だが日常あまり使われないというものは含まれていません。

 決して難しい表現はなく、むしろ、表現にあまり馴染みがないとしたら、自分の使っている英語とネイティブのそれとは、かなり隔たりがあると認識してほしいということです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、中学校に入学した当時、自分は算数と美術以外に得意なものがなかったので、英語を得意科目にしたいと考えたそうです。

 大多数の同級生が新しく始める教科ということで、みな同しスタートラインに立つわけです。

 頑張ればいい成績をとって算数、美術以外にも得意科目をつくることができるかもしれないといった期待があったそうです。

 もう1つは、はじめて習う外国語ということで、何かとても浮き浮きしたのを覚えているそうです。

 漠然と、英語が話せれば自分の世界が広がるだろうなどと思っていたとのことです。

 それから30年以上が過ぎました。

 アメリカに来て20年近くになります。

 面白いことに、当時ABCも最後まで言えなかった自分が立てた仮説は、いまだに正しかったと思うそうです。

 多数の日本人が、義務教育で英語を学ぶにもかかわらず、英語を話せる人が少ないという事実があります。

 それは、何かきっと英語学習法、あるいは教授法に根本的な問題があるのだろうと感じたそうです。

 大多数の日本人が英語がうまくならないのであれば、自分も彼らと同じことをやれば、きっと英語はうまくならないでしょう。

 そういう状況下では誰も頼りにできないので、自分なりに判断して、いいと思ったことをやるしかありません。

 仮にやり方が間違っていたとしても、既存の英語教育でほとんどの人が英語を自由に話せないことを考えれば、そのリスクは高が知れています。

 ・・・・・・

 浅田さんは仮説を立てました。

 まず、英語は言葉であるから話すことに重点を置くべきだから、日本英語から脱却すべきである。

 そこで、ネイティブ・スピーカーの発音、話し方をまねます。

 ネイティブ・スピーカーが実際に使った表現をそのまま丸覚えし、口からスラスラと出てくるようにします。

 きわめて単純ですが、基本姿勢は英語を学び始めてから30年以上経った今も変わっていないそうです。

 この2つの点に重点を置いて英語学習をしている日本人は意外に少ないようです。

 むしろ文法、読解、作文などに比べるとあまり重要視されていないのではないでしょうか。

 受験勉強や点数主導の教授法の弊害かもしれません。

 仮説に基づいて学習した結果、正しい発音、イントネーションを常に意識して努
力し、同級生とは差がついていたとのことです。

 次に、リスニングは、正しい発音を身につけようとする努力によって自然と伸びる。

 國弘正雄さんは、著書の中で、

 只管朗読

という概念を紹介されて、繰り返し音読することの大切さを説かれていました。

 音読を繰り返すことによって、結果的に聴解力が伸びるという内容でした。

 それは、浅田さんご自身が経験したことと一致するそうです。

 もしその2つの仮説を立てずに英語を勉強していたら、今の英語力の土台となるものは築かれていなかったということです。

 ・・・・・・

 浅田さんの仮説の1つ目です。

 ネイティブ・スピーカーの発音、話し方をまねます。

 発音をまねすることが安っぽいものではありませんし、おかしなことでもありません。

 正しい発音、イントネーションを意識して練習する人は、個人差はあるとしても必ず向上します。

 しかし、逆に努力しない人は決して発音などはよりません。

 ある程度の年齢に達する前に正しい発音の基礎をつけておかないと、後々苦労します。

 発音は悪いが、文法には強いし、読解力にも優れているという人は、不自然です。

 英語は言葉です。

 言葉は話すことがまず最初に来るはずです。

 英語学習の道のはるか先には、学習者が目指す最終目的地となるものがあるはずです。

 道なき道を行く時、時には立ち止まって方位磁石と地図を使って方向を修正しながら進んでいくでしょう。

 目的地あるいはその近辺に最終的にたどり着けるかどうかは、正しい方向に常に向かって行こうとする努力にかかっています。

 わざと正しい道を避けて、違った方向に向かって歩いていけば、決して目的地にたどり着くはずがありません。

 ・・・・・・

 浅田さんは、問題提起をしておられます。

 なぜ「日本英語」から脱却すべきなのでしょうか。

 今まで来た道を戻ってやり心すには時間がかかります。

 並たいていの努力ではやり直せません。

 うまく発音ができないと思っても、あきらめずに努力は続ける必要があります。

 わざと英語の発音を無視して、日本的な発音、発声法だけを使て話す人がいます。

 これは、上達することを拒否しているだけでなく、取り返しのつかない変な癖をわざわざつけようとしています。

 Practice makes perfect.

という表現がありますが、

 むしろ、

 Practice makes permanent.

ではないでしょうか。

 練習したものは身にしみついてとれなくなってしまいます。

 変な癖を練習に織り込んでしまうと、それがしみついて取れなくなってしまいます。

 したがって、練習はできるだけ正しくやらなければなりません。

 間違った道を来てしまったと思う人は、本当に手遅れになる前に方向修正をして、正しい方向に向かう努力をするべきです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、仮説を設定しておられます。

・ネイティブ・スピーカーが実際に使った表現をそのまま丸覚えし、□からスラスラと出てくるようにする。

 文法的には正しいという言葉でも、ネイティブ・スピーカーか使わないような表現は、そもそも正しくない表現だと考えるべきです。

 そして、そのように割りるべきだと信じているとのことです。

 仮に英語自体問題がなくても、日本語から直訳した表現はしっくりこない場合があります。

 She called me this morning and said that she was not feeling well.
So, she decided not to come to work today.

 英会話教本でよく見かけるような表現です、

 意味は通じるし、特に問題はありません。

 でもでも。

 ニューヨークのようなせっかちなところでは、聞いている人がしびれを切らすかもしれません。

 簡単に、

 She called in sick.

ですませられます。

 むしろこの方が引き締まった感じがします。

 英語としては自然な感じです。

 このような表現は、知らないと出てこない英語です。

 英文法にのっとって英単語を並べる能力があっても、それだけでは日本英語の域から脱することはできないのです。

 やはり、ネイティブが頻繁に使う表現をより多く身につけることが人切なのです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語から脱却すべきだと問題提起しておられます。

 日本人の英語が一般に不自然なのは、やはりまず、発音やイントネーションの問題があります。

 それ以外にも、ネイティブ・スピーカーが何気なく使用している表現が理解できないこと、使えないことにあります。

 たとえば、日本語で言ったら、

・あごで使う

・油を売る

・顔をつぶす

などです。

 そういったものをスラスラと使えるようになると、コミュニケーション能力は大きく伸びるとのことです。

 ここで言う慣用表現とは、

 phrasal verbs=動詞と前置詞を組み合わせ動詞句

 idiomatic expressions=イディオムレ等、頻繁に使われる表現、決まり文句

です。

 そういった表現は、なぜネイティブによって頻繁に使われるのでしょうか。

 それは便利だからです。

・比較的簡単な言葉の組み合わせで、微妙な意味合いを伝えることができます。

・直訳で作った表現よりも、角が立ちにくく、内容を和らげる効果があります。

・誤解を生みにくいです。

・比較的短い表現で状況、内容を説明でき、意味に深みや幅があります。

・言葉遊びというか、ユーモラスなものも多いです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語は限界があると言われます。

 考 察:

”とりあえずその件は今は保留にしておいて、後で改めて着手したらどうだろうか。”

 ビジネスでも何でも、物事にプライオリティーをつけたり、実行のタイミングを判断したりすることは日常のことです。

 自分が計画していたこと、すでに実行に移していたことがあっても、それらをとりあえず一時的にストップして、後回しにする必要は出てきます。

 そんな時に、出てきそうな発言です。

 英語でどう言うでしょうか。

 日本英語:

 May I suggest that we put the plan on reserve and then revisit it later when it is more appropriate to do so?

 なかなかのものですが、残念ながら日本英語の域を脱しきれていません。

 きわめて直訳的です。

 改 善:

 Why don't we put it on the back burner for now?

 とりあえず後ろのコンロに移して、しばらくとろ火で温めておく。

 今のところは温めておいて、いつでもまた取り掛かれるようにしておく。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語は限界があると言われます。

 考 察:

 ”そんなことを話題に持ち出すと、新たに厄介な問題を引き起こすことになりますよ。やめておきましょう。”

 時には旨わない、やらない方がいいことがあります。

 言わなければいいのに、あるいは言う必要がないのに、つい□に出したことが話をややこしくします。

 いずれある時点で対処しなければならない面倒な問題があっても、とりあえず今はそのことを持ち出さない方がいいこともあります。

 日本英語:

 If we raised that issue, it would create complicated problems that we would rather not deal with.(So, let's not do it.)

 仮定法過去を使った婉曲な表現で、やめておきましょうという意味が込められています。

 しかし、表現としては硬い感じがします。

 改 善:

 Let's not open up a can of worms.

ミミズが入っている缶詰めを開けないようにしよう。

 あることをすることによって、あるいは言うことによって、非常に複雑で、厄介な問題を表に出ないようにしようということです。

 この表現は、そもそも知らなければ口から出てきません。

 丸覚えしなければならな表現なのです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語は限界があると言われます。

 考 察: 意図するところ・言わんとするところ

 君の立場、置かれている状況は理解できるし、それを考えれば、なぜそんなことを言っているのかは分かります。

 こういう表現は、議論、交渉の場では頻繁に使われます。

 日本英語:

 I understand the situation you are in and know what you are saying.

 もう少し切れ味のいい言い方です。

 I know where you are coming from.

 こういう表現が自然に口から出てくるようにしたいですね。

 where one is coming from は、

 直訳すると、その人のやってくるところということになりますが、

 ここでは、その人の考えていること、言わんとすることの意味です。

 むずかしい単語は1つもありませんが、知らないと使いこなせません。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語は限界があると言われます。

 身の周りの物のだいたいの寸法を測って記録するとき、どう言ったらいいでしょうか。

 交渉をしている時などで相手がはっきりとした数字を出してこない場合、おういう言い方があります。

 (Just) Give me a ballpark figure.

 a ballpark は、おおよその数量、値段という意味です。

 相手も見当がつきませんと言うわけにはいかなくなり、ある程度胸のうちを教えてくれるものだそうです。

 About how much?

などと直接的に言うより、交渉の場面などではカッコイイ表現だとのこと。

 例文は、そのまま覚えてどこかですぐに使える表現です。

 主語、時制を変えたり、副詞、形容詞を付け加えるなどしていろいろなバリエーションを作ることができます。

 実際にも、これらの表現が使われる頻度はきわめて高いそうです。

 上級者の英語ではなく、普通の人が自然に使う言い回しです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、日本英語は限界があると言われます。

 しかし、日本英語でも通じればよいではないかという人が中にはいると思います。

 一方的に話すだけならどうにかなるかもしれません。

 でも、言葉はそもそもコミュニケーションのためにあります。

 そう、双方向でなければなりません。

 こちらの都合にお構いなく、ネイティブは容赦なく生の英語を浴びせてきます。

 彼らは特に意識はしていないと思います。

 したがって、そういった表現を理解でき使えなければ、スムーズな会話は成り立ちません。

 カナダ・米国言語学協会エグゼクティブ・ディレクタ一、イリノイ大学言語学教授アダム・マッカイ氏意見です。

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 他の国の人と比べると、米国人は一般に外国人に対して、失礼のないように辛抱強く耳を傾けてくれる方です。

 しかし、実は話し手がどのような英語を話すかということは結構意識しているものです。

 もし話し手が常に、文語調の堅苦しい表現ばかりを使い、慣用表現を適所で使わないと、温かみのない想像力に欠けた人間か、用件だけすめば後はどうでもいいと思つているのだろうというレッテルをはられかねません。

 慣用表現を使うことは、そういう意味で、非常に大切です。

 聞き手に、この人とは話が合うなと思わせることができるのです。

 慣用表現を適所で使えば使うほど、聞き手の米国人は心を開き、この人は感じが良く、人当りの良い人で、自己表現がとてもうまくて好感が持てると感じるでしょう。

 ・・・・・・

 浅田さんは、方法論として、剣道の”気剣体一致”をあげておられます。

 気剣体の一致(きけんたいのいっち)というのは、心気力の一致ということと同じ意味です。

 気とは、意志、心の作用をいい、心の判断によって動作を起こそうとする決心のことです。

 剣とは、竹刀の働く作用をいいます。

 体とは、体勢のことで、身体の力、四肢の働きをいいます。

 相手を打とうと決心しても、竹刀や身体の動きが、これに伴わないと相手を打突することが出来ず打つべき機会を失ってしまいます。

 また、竹刀が先に進んでも、足が十分に踏み込んでいなければ正確な打突とはなりません。

 機会を見て、すばやく飛び込んでも技が伴わなければ、これまた有効な打突とはなりません。

 気、剣、体の三つが一致して初めて有効、適切な打突ができます。

 この気剣体一致を目指すのに必要なのは、素振りです。

 常にこの気剣体が一致して打突できるように心がけ、練習することが大切です。

 素振りは、実際に相手はいないのですが、いるかのごとく剣を振り練習をすることです。

 しかも、何千回、何万回と振り、気、剣、体のすべてが一致した動きができるようになるまで修行を積みます。

 防具をつけて試合をさせてもらえるようになるのは、基本動作が身についてからです。

 また、上級者、有段者となっても、素振りは、実力維持と日々の研鑽のために欠かせません。

 英語学習にも、剣道と大いに共通する部分があります。

 交渉中に言わんとすることが口から出ずに、しどろもどろにでもなろうものなら、発言のチャンスを逃すかもしれません。

 また、相手が容赦なくまくし立ててくるかもしれません。

 何か言おうと思ったら、即座にその考えが口から出てこなければ、効果的なコミュニケーションはできません。

 ・・・・・・

 浅田さんは、剣道の基本が気剣体一致であるように、

英語学習の基本は、気言声体の一致であると言われます。

 気言声体の一致の4つのエレメントは、気、言、声、体です。

 気は、mind;thoughts;ideas、すなわち、思考です。

 脳の中で 作られた考え、意思、意見です。

 周りからの刺激に反応して、意見なり考えを持つことです。

 言葉になる直前、あるいはその瞬間のものですので、この時点では言語表現にはなっていません。

 言は、words;phrases;expressionsです。

 頭の中にでき上がった気を、自分の置かれた状況下で伝達するのに最も適している英語表現に変換します。

 必要に応じて編集します。

 また、その結果としてできた英語表現です。

 声は、pronounciations;rhythms;stress;intonationsです。

 自分の考えである気を、適切な英語表現を使って最も効果的に聞き手に伝えるための正確な発音、発声法です。

 発音やイントネーションが正しくないと、使っている表現がよくても意思の疎通はうまくいきません。

 体は、bodylanguage;eye contactです。

 気、言、声のすべてのエレメントをうまく取りまとめる、アイ・コンタクト、顔の表情、ジェスチャー等の体の動きです。

 日本人は一般にこの部分にあまり力を入れませんが、実はとても大切な要素です。

 いくら美しい発音で見事な英語を話したとしても、話し相手にアイ・コンタクトをしなければ説得力はありません。

 逆に、アイ・コンタクトを意識しすぎて、むしろ不自然になり、結果的に相手をにらみつけてしまったりするのもよくありません。

 4つのエレメントはすべて一致しないと、コミュケーションがうまくいかなくなります。

 ・・・・・・

 剣道の基本が気剣体一致であるように、英語学習の基本は気言声体の一致であると言われます。

 それでは、気言声体の一致を目指すにはどうすればいいのでしょうか。

 浅田さんは、それは英語の素振りをすることだと言われます。

 英語の素振りとは、

・まず、汎用性のある実際こいろいろな場面で頻繁に使われ、つぶしの利く英語表現を正しく理解します。

・次に、頭の中で実生活でその表現が使われるような場面を想像して、声に出して反復練習します。

 そして、考えたこと「=気」が瞬時に言える「=言」ように、何度も声を出して繰り返すのです。

 コロンビア大学で大脳生理学を研究されている池谷裕二氏の英語学習法に関するコメント:

・(ネイティブ・スピーカー)が使っているセンテンスや熟語を意識して学ぶ」

・「簡単で短い日常的なものからやっていく」

・「聞いて話して文章にしてその基本を繰り返し覚える」

 これは、英語学習の基本としている「気言声体の一致」「英語の素振り」の概念と相通じるものです。

 ・・・・・・

 浅田さんは、それは英語の素振りをすることだと言われます。

 比較的短くネイティブが頻繁に使う汎用性の高い日常的慣用表現を、英語の素振りで反復練習します。

 これらの慣用表現を自分のものとすることが効果的な学習方法です。

 覚える時に、より多くのものと結びつけると思い出しやすくなりますし、使いやすくなります。

 丸暗記でなく知識を総動員します。

 実生活でその表現が使われるような場面を想像することです。

 その表現が使われる状況を頭に浮かべた上で、英語表現を覚えるのが効果的です。

 そして、実際に自分が以前経験したか、今後遭遇するであろう場面で使える表現を覚えるのが効果的です。

 すぐに使える場面が思い浮かばない他人事のような表現は、覚えようとしても結局頭に残りません。

 大人は、ただ英語を浴びるだけでは駄目で、戦略が必要です。

 仮に英語圏に住むことができたとしても、小さな子供と違って、何となく生活をしているだけでは英語習得という意味では効果は少ないです。

 住んでいれば自然に英語がうまくなると勘違いして、何年も英語圏に住んだ後で英語が上達しないのに気がつく人がたくさんいます。

 また英語のラジオ番組、オーディオ教材などを流しっぱなしにしても効果は少ないです。

 英語の素振りを使った、より焦点をしぼったアプローチが忙しい大人にとっては有効です。

 意識して学習癖をつければ、脳のインフラが整ってきて、飛躍的に伸びる段階に入ります。

 同じようなことを繰り返していると、仮に一見つながりのないような新しい情報や内容も、以前費やしたほど時間をかけなくても吸収できるようになります。

 ・・・・・・

 浅田さんは、それは英語の素振りをすることだと言われます。

 英語の素振りを習慣とすれば、必ずその学習癖がその後の英語学習に好影響を及ばすはずです。

 また、借り物だった英語表現が、いつの間にか自分の血となり肉となり、さらには自ら独自の表現も作れるようになります。

 日本英語から脱却するための英語学習の極意は、気言声体の一致です。

 それを目指すには、英語の素振りを実践することです。

 英語の素振りで思考訓練をし、日本英語から脱却します。

 英語の素振りで、自然なボディー・ランゲージを身につけます。

 英語の素振りによって、発音、発声法、リズム等を磨きます。

 英語の素振りと気言声体の一致が重要です。

 ・・・・・・

 浅田さんは、英語の素振り」では架空のダイアローグは使わないと言われます。

 その1つの理由は、そういった場面設定を使うと、そのような場面に遭遇しそうにない人にとっては、あくまでも他人事のように聞こえて、興味を失ってしまう恐れがあるからです。

 自分の経験、体験、置かれている状況とあまりかけ離れていると、共感するものもなく学習に身が入らない可能性があります。

 もう1つの理由は、汎用性のある、そのままで使える短い文章、あるいはフレーズを集中して身につける努力をする方が、時間と労力を有効に使えるし、英語の素振りには適しているからです。

 ダイアローグ全体を音読しながら、中に所々散りばめてある慣用表現を覚えるよりは、同じ時間をかけるのなら、その表現のみをより多く反復練習するというのが狙いです。

 英語の素振りでは、ダイアローグを使わない代わりに、頭の中で実生活でその表現が使われるような場面を想像することが大切です。

 これは、実質的には自分で自分なりのダイアローグを頭の中で作っていることになります。

 逆にそういった想像ができないと、その表現を本当には理解していないことになり、つまり使うことができません。

 英語の素振りで使っている表現は、上級者の英語、特殊な英語などではありません。

 このような表現は、アメリカでの日常生活、ビジネスの現場では頻繁に使われるものです。

 ただ理解できるだけでなく、口からすぐに出てくるようでなければなりません。

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 浅田さんは、ネイティブ・スピーカーが頻繁に使う表現を徹底的に覚えることが有効だと言われます。

 正しい発音、イントネーションで覚えることです。

 そうすれば、スピーキングのみならず聴解力も向上します。

 近年、音読の重要性を説く人が増えてきたのはとてもよいことです。

 せっかく音読をするのであれば、この表現はどこかですぐに使えそうだと思えるような表現を使うべきです。

 よく使われる慣用表現を自分のものにしたら、少し英語会話が変わってくるはずです。

 そして、もっと英語の素振りをすべき表現があることに気がつくと思います。

 自分で、使える慣用表現や日本人が使いにくい表現を意識し始めるでしょう。

 英語の素振りが弾みとなって、そのあとの英語学習に良い影響を及ぼすはずです。

 会話の最中にできてしまう気まずい間や、あー、うーといったつなぎの音も減りはじめます。

 会話にリズムが出てきます。

 相手も自分の言っていることをより理解するようになります。

 自分も相手の言っていることがより分かるようになります。

 ・・・・・・

 浅田さんは、英語の素振りのウォームアップに触れておられます。

 まず、最初に素振りするための英語の本を、読み物として全体を一度ざっと読みます。

 この時、自分かすでに使いこなせているおなじみの表現、聞けばとりあえず分かるが使いこなせない表現、まったくはじめて出会った表現等がはっきりしてくるはずです。

 ついでに、自分なりにグループ分けの印を付けておきます。

 仮にほとんど知っている表現がなかったとしても、気を落とす必要はありません。

 むしろ、素振りするための英語の本を手にして得をした思った方がよいそうです。

 次に、1つ1つの表現を気言声体の一致を念頭に注意して読み、英語の素振りのウォームアップをします。

 つまり、じっくりとその表現の持つ意味を理解し、味わい、どのような場面で使うことができるかを想像します。

 この時、自分の仕事、人との付き合い、生活一般のいろいろな場面を想像するとよいそうです。

 そして、正しい発音、イントネーション、ストレスの置き方等に気をつけて声に出してみます。

 頭の中で想像している話し相手に話しかけるつもりで、ボディー・ラングージを使います。

 そして、いよいよ英語の素振りを行うことになります。

・・・・・・

 浅田さんは、英語の素振りのウォームアップに触れておられます。

 まず、1つの表現を一度に30回ぐらいは連続して声に出して練習するようにしたいものです。

 そして、次の表現に進みます。

 一度に5長現、10表現を1セットとして区切りをつけるとよいそうです。

 1セット15分から30分かかるとしても、その程度の時間なら日程に組み込みやすいでしょう。

 たとえば、入浴中とか、夜寝る前に、1、2セットやるのは充分可能です。

 通勤時に声に出して読むことは難しいかもしれませんが、気と言を意識して表現を味わうことはできるはずです。

 素振りの回数やセットの数は個人によって好きなように変えてかまわいませんが、最終的には気言声体のー致をみるまで、時にはいやになるぐらい繰り返すことが大切です。

 単語カードを作るのも1つの方法です。

 カードの表には英語表現を書き、裏側にはその意味、自分なりのメモなどを書 いておきます。

 それを使って、英語の素振りをします。

 1日あたり5表現、10表現と作って増やしていきます。

 カードの利点は、それを作る過程が学習の一部であるということです。

 持ち運びにも便利ですし、並べ替えたり一部だけを使うといったことも可能です。

 気に入った歌が、つい口に出てくることがあるように、覚えた表現を無意識のうちに目ずさんでしまうぐらいになれば、しめたものです。

 それらの表現を実際に使うことができたり、あるいは、誰かが使ったのを聞いて理解できた時、はじめて気言声体の一致をみることになります。

 ようやく、自分のものとなったことが確認できます。

・・・・・・

 浅田さんは、英語の素振りをするのに英語圏に行く必要はないと言われます。

 日本人の中には、英語圏に住まないと英語はうまくならないと思っている人が多いのではないでしょうか。

 しかし、長く米国に住んでいても高度な会話や議論を米国人とやりあえるだけの英語力を持つ日本人は、残念ながら多くないと浅田さんは言われます。

 小学校低学年ぐらいまでの子供であれば、最初のうちはつらい思いをしても子供同士で遊んだり学校に通う間に英語を話せるようになるようです。

 しかし、ある程度以上の年齢の人は、しっかりとした文法・表現・発音の基礎を最初に身につける努力が必要だと浅田さんは言われます。

 そういった努力をするには、何も海外にいなくてもできるのです。

 日本である程度の成果を出せない人は、海外に出ても同じことです。

 日本で英語を学ぶことは、近所のプールで水泳の練習をしているようなものです。

 大海に出ないと経験できないものは確かにあります。

 海水は、プールのようなコントロールの利いた環境とは違い、予測できない自然界の厳しさがあります。

 ただ、足の立つ近所のプールでもさまざまな練習ができます。

 そういった環境の方が、基礎を確立するのにはむしろ向いています。

 プールでできることはすべて練習してから、海に行って実力を試してみるというやり方が一番効果的です。

 プールでうまく泳げない人は、海に行っでも泳げません。

 日本から出て英語圏で生活する機会がなくても、英語を身につける努力はいくらでもできるはずです。

 ・・・・・・




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